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第30回日本霊長類学会大会公開シンポジウム

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公開シンポジウムのプログラムの印刷用レイアウトはこちら(PDF文章)

老化を考える ―霊長類学から現代社会へのアプローチ―

日時: 2014年7月6日(日)13:00~16:30
場所: 大阪科学技術センター 8 階大ホール

「老化」は現代社会の抱える大きな問題の一つである.個体としての身体的,精神的な意味での加齢変化というだけでなく,社会全体としても,喫緊の課題として取り上げられることも多い.しかしながら,そうした指摘にもかかわらず,アルツハイマー病や独居老人問題といった個別のニュースを耳にすることや,家族など身近な存在と接する場合などはあっても,社会全体として老化や高齢化を実感し,どのように向き合っていくべきかについての議論はなされてきていない.これは政治や福祉における実践的な対処といったことを意味するのではなく,社会あるいは個人の心の持ち方についての問題であるともいえる.

一方,霊長類学は,人類の進化過程について,霊長類をモデルとして,形態,行動,心理,社会など,様々な側面から解明することを一義的な目的としている.その中で,老化については,野生動物では繁殖能力を喪失する年齢に達した個体は生存価値を失うという原則論や野生状態で高齢個体を観察する事例が少なかったことから,人間社会の抱える老化の問題について霊長類学の立場から検証することは困難であった.しかし,近年,飼育下や餌付け群,あるいは野生のチンパンジー集団などで,霊長類の高齢個体を対象とした研究が報告されている.

こうしたことから,本シンポジウムでは,人間の老化における心理,行動,社会性などの特性についての話題提供をもとにして,霊長類の老化研究におけるそれぞれの知見から議論を深めていきたい.さらに,進化心理学や文化人類学の専門家にも議論に加わっていただき,老化が,進化や社会的発達において,人間社会に受け入れられ,必要とされていった過程や意義を考えていきたい.

講演プログラム
司会: 友永雅己(京都大学霊長類研究所)

講演(話題提供)
13:05~13:35 「超高齢社会における望ましい老いの姿とは」
権藤恭之(大阪大学人間科学研究科) 
13:35~14:05 「霊長類特有の加齢性病変 -霊長類が背負った老化の代償-」
中村紳一朗(滋賀医科大学動物生命科学研究センター) 
14:05~14:15 休憩
14:15~14:45 「老化によって失われるものと現れてくること -老齢ザルとヒト高齢者の認知研究から-」
久保南海子(愛知淑徳大学心理学部) 
14:45~15:15 「野生チンパンジーの桃源郷? -ギニア・ボッソウ集団で観察された長寿現象とその要因について-」
山越言(京都大学アフリカ地域研究資料センター)
15:15~16:30 総合討論 
ディスカッサント
小田亮(名古屋工業大学工学研究科)
加賀谷真梨(国立民族学博物館)

平成26年度科学研究費補助金(研究成果公開発表(B)(課題番号260033))