title
大阪大学 >人間科学部
ホーム メンバー 研究課題 施設 業績 卒業論文 修士・博士論文 授業科目 研究室見学 リンク

研究課題

熊倉教授の研究テーマ

1.霊長類運動系の比較解剖学的・比較組織学的解析

a.筋電図による筋の機能分析
b.肉眼解剖学的観察による筋と関節構造の比較形態学的研究
c.筋内受容器の分布に関する比較組織学
d.霊長類中枢神経系の形態比較

霊長類は多様な運動レパートリーを有しています.それぞれの種は,種特異的なロコモーション様式に応じた身体構造の適応を示します.このことを,主として筋の解剖学,生理学,組織学によって検討してきました.解剖学的構造の解析によって,筋のはたらきを推定することができますが,それはあくまで筋の潜在的な作用を類推しているにすぎません.このときに,筋電図法は有効な手段です.現実の運動を行なっているとき,どの筋がどのタイミングで活動しているかを調べることは重要です.筋電図は中枢神経からのコマンドを示しているので,運動の背景にある中枢の運動プログラムを部分的に見ていることにもなります.しかしながら,身体の深い位置にある筋については,筋電図記録を行なうことは現実的ではありません.この場合には,筋の組織学的性質(筋線維のサイズ,数,筋紡錘の分布,筋線維タイプ)が有効なヒントを与えてくれます.このような知見を積み重ねることで,ヒトがヒト以外の類人猿と袂をわかった要因を考察しています.分子遺伝学の知識はチンパンジーとヒトの遺伝子構造がきわめて類似していることを示しましたが,それでも我々はチンパンジーとヒトを見間違えることはありません.1%のDNAの差異がもたらす表現型の違いにこだわっていきたいと思います.

2.現代人の機能適応分析

a.歩行分析
b.マニピュレーション(手と指の運動)の解析

機能的人類学という立場から,日暮助教たちの協力をえつつ,現代人の運動機能適応を研究しています.卒業研究では人気のあるテーマです.書字動作や,制限歩行(ハイヒールや杖を用いた卒業研究があります)など,意外に先行研究も少なく,難しいテーマではありますが,工夫のしがいがあります.今後も,続けて行きたいと考えています.

3.その他

現代人の生体計測学的な地域差の研究を整理しつつあるほか,他機関と協力して西アジアにおける地域的形質の成立,古人骨(弥生時代人,江戸時代人など)の分析などにも関与しています.


中野准教授の研究テーマ

1.直立二足歩行の起源と進化に関する比較形態学的研究
2.霊長類の運動適応に関する機能形態学的研究

ヒトの進化過程について直接の証拠を示すものとして化石があります.これまで,ケニア北部地域において化石調査に参加し,ヒトと類人猿の共通祖先と考えられる新種の化石を発掘しています.化石はケニア国内から持ち出すことはできないので,ケニアの博物館で計測や形態比較などを行ってます.

化石証拠は断片的なものがほとんどであり,それだけでは進化について十分な情報をえるには不十分です.そのため,現生霊長類を用いた比較研究がいろいろな面で行われています.その中で,多様な霊長類の運動パターンへの適応がそのようなものであったのかについて知るために,多種の霊長類の運動,特にどの種においても見られる木登り運動に注目し,運動学的な比較解析を行っています.また岡山にある林原類人猿研究センターと共同で,チンパンジーの木登り運動の個体発達について縦断的な研究を行っています.

〒565-0871 大阪府吹田市山田丘1-2